ニッチク君がゆく 第六回 スーパー・ジェネレイション
こんばんは。ニッチク君です。
不定期連載「ニッチク君がゆく」第六回目は、雪村いづみがキャラメル・ママと共に残した不朽の名盤「スーパー・ジェネレイション」について。
雪村いづみ スーパー・ジェネレイション 1974 オリジナル品番:ALFA-1001
雪村いづみのデビュー20周年記念として、村井邦彦率いるアルファから自主流通盤として発表されたアルバム。後にコロムビアへライセンスされ、幾度のLP・CD再発がなされています。
日本を代表する大作曲家である服部良一作品の数々を、キャラメル・ママ(細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、林立夫)の多様なリズムのバックにのせ歌い上げています。
キャラメル・ママは南沙織やアグネス・チャンのバックなどもつとめています。後に同バンドはティン・パン・アレイへと発展し、1977年にはいしだあゆみと「アワー・コネクション」という名盤を残しています。正に日本版マッスル・ショールズといったところでしょうか。
さらに、本編のホーンとストリングスアレンジを務めたのは服部良一のご子息である服部克久。アルファ代表の村井邦彦もオーバーチュア「序曲(香港夜曲)」のアレンジを担当しています。
戦前から作曲家として活躍した服部良一。スウィング、ブルーズ、ブギウギ、タンゴ、ルンバといった諸外国のリズムや流行を日本の大衆音楽界に巧みに取り入れ、数多くのヒット・名曲を生み出してきました。エキゾチックかつ、ときにユーモラス、ときには誰もの琴線に触れる美しいメロディーの数々は、時代を越えて、そこに「モダン」な空気を湛えています。
本作の主役である雪村いづみは、昭和28年にデビュー。パワフルにスウィングする卓越した歌唱力で、邦洋問わず数々のヒット曲を生みました。美空ひばり、江利チエミらとの「三人娘」としての活動でもよく知られています。
歌手デビュー20周年ということで、本作では持ち前のパワフルな歌唱に加えて、情感を漂わせる歌声で、服部良一作品を74年という時代に甦らせています。
歌謡曲からニューミュージックへの過渡期、ロック、ジャズ、ポップス、そして歌謡曲といた世界が接近しあった時代(日本においては、そもそも渾然一体となっていた感もありますが)には、数十年経った今においてもリアリティを持った音楽が数多くありますね。
雪村いづみ スーパー・ジェネレイション 1974
1. 序曲(香港夜曲) 作曲:服部良一
2. 昔のあなた 作詩:山上路夫/作曲:服部良一
3.ヘイヘイブギー 作詩:藤浦洸/作曲:服部良一
4.バラのルムバ 作詩:村雨まさを/作曲:服部良一
5.銀座カンカン娘 作詩:佐伯孝夫/作曲:服部良一
6.東京ブギウギ 作詩:鈴木勝/作曲:服部良一
7.胸の振子 作詩:サトウハチロー/作曲:服部良一
8.一杯のコーヒーから 作詩:藤浦洸/作曲:服部良一
9.蘇州夜曲 作詩:西條八十/作曲:服部良一
10.東京の屋根の下 作詩:佐伯孝夫/作曲:服部良一
あなたのお手元にも是非一枚。名盤紹介は続きますが今日はここまで。では、また逢う日まで。